しろネコは、塀から飛び降り、おそるおそる、その体に近づいていきました。
そのしましまの小さな体は、小さく息をしながらもう一度、
とても小さく「にゃあ」と鳴きました。
しろネコがその小さな体にそっと寄り添うと、
小さなしまネコはうっすらと開けた瞳で、その大きな白い体を見ました。
しまネコは、小さな息の中で、もう一度鳴いてみようとしました。
しかし、今度は息になって漏れただけで、声にはなりませんでした。
大きな白い体が、その息に返事をするように、優しくしまネコの体をペロリとなめました。
それでようやく、しまネコは安心することができたのでした。

しろネコは、しまネコのまぶたがゆっくりと閉じられるのを見ました。
小さなしましまの体が、小さく上下するのが止まるまで、
しろネコはその体を優しくなめ続けました。

ぽかぽかのお日様が、あたたかな夕日になって西のお空に沈むまで、なめ続けました。