「桐生さん。」

玲の所に一人の女子が来た。

「うちは砂良 菜月(なつき)。菜月って呼んで。一応このクラスの委員長だよ。取りあえず席はこっち。」

そう言って菜月は教室の後ろの方の空いている席を指差した。

「あそこが桐生さんの席だよ。前はうちじゃから何かあったら呼んでね。」

玲は席に荷物を置いた。

「あっ、はよぉせんと遅れる。桐生さん、はよぉ行こ。」

「玲で良い。桐生さんって何かくすぐったい。」

「うん、わかった。じゃあ、うちのこと菜月で良いからね。」

嬉しそうに菜月は笑った。

これが私の運命を変える出会いだった。