10円の魔法





――でも、それと同時に、当たり前が無くなるのが怖い。



だから、1歩を踏み出せずにいるんだ。




今、目に見えている世界が変わってしまったら……。









「妃乃〜。帰ろぉ」


学校指定のバッグを背中にしょった幸成が、教室の扉の所でもたれ掛かっている。



「あれ?2人は??」



「巧は部活で、未来が塾だって〜」