やっと寝てくれたケイくんの寝顔を見ながら、先生が口を開いた。





「俺にチャンスくれねぇか?」


「…チャンス?」





なんのチャンスだろ?
全く分からないんだけど。


でも、先生の表情は真剣だから、なにか考えてるんだと思う。





「お前に許してもらいてぇ」





それって、サヤカさんのためにあたしに近づいた事?


それならもう……





「許すもなにもないですよ」


「いや、仕返ししたから許したとかじゃなくて、本当に許されてぇんだ」


「それだったら先生、あたし本当に許してますよ?むしろ先生には感謝してるの…最近、ケイくんの面倒を見にきてくれてたのも知らなかったし」


「それは許してもらおうと思ってしたんじゃねぇよ」