ベッドから起き上がって玄関へ向かうお前の背中を見ることすら出来なかった。


俺は耳だけでお前を追った。




引き止めたいなら今しかない。
でも、お前は誰かのもんになっちまってるんだろ?




今さら俺のもんになってくれなんて言えねぇよ。



お前の気持ちなんか分かりきってんのに。





「先生…抱いて…」





俺は吸っていたタバコを落としてしまいそうになった。