当時中学生だった私は転校するのが嫌で、お父さんは仕事の都合上こっちへはこられない。 というわけで、今も私とお父さんは変わらず東京の大都会…とはいかなくとも、田舎とは言えないところに2人で住んでいる。 「…よし、こんなもんかな」 デッサンを描き終え、立ち上がって絵と桜を見比べてみる。 ───自画自賛とは、このことか。 自慢じゃないが、なかなかうまく描けている。 我ながら上出来だ。 「うまいじゃん」 「ほへっ!?」