さくら ―余命3年の恋―




「…美桜さ、」

「ん?」

「好きな人とか…いんの?」



───“好きな人”。


そう言われて、真っ先に脳に浮かんだのはさっきメールをくれた蒼空だった。


………ううん、違う。


蒼空は私の好きな人じゃない。


蒼空は千秋の好きな人だ。



「いないかな」

「…そっか」

「たっちゃんは?」

「え?」

「好きな人。
たっちゃんはいないの?」



たっちゃんの好きな人…。


聞いたことなかった。


いるのかな、好きな人とか。