その顔を見ていると、私まで自然と顔が綻ぶ。 「あっ、そうだ」 そう言うと、横にある棚の引き出しをあけて何やら中身を手で探っている。 「…どうしたの?」 「確か、ここに……… あ、あったあった」 引き出しから取り出したのは、一枚の写真だった。 「それ………」 「うん、そう。あそこの景色」 「綺麗…」 本当に綺麗に撮れた写真だった。 あの桜の景色をそのまま写し出したようで、本当に綺麗。 それは思わず見入ってしまうほど………