私にできることは少ないかもしれないけれど───…。 叶えてあげたい。 私が千秋にしてあげられる、限られた中のひとつなら。 「あっ、桜庭さん!!」 「はい?」 呼び止められて、振り返るとそこにいたのはここの看護婦さんだった。 「蒼空くんが探してましたよ」 「千秋じゃなくて、私ですか?」 「はい。 部屋にいると思います。 お時間の都合がありましたら、私が蒼空くんに伝えておきますが…」 「そうですね…、どうしましょう」