「そうだよ。 当たり前でしょ? また会ってびっくりしちゃっただけだよ」 「そう…だよね!! 2人とも知り合いなだけだよね!! なんか変なこと訊いちゃってごめんね、お姉ちゃん」 「そんな余計な心配しないで、早く治るように頑張りなさいよ」 「はーい」 今度こそ、私は千秋の病室を後にした。 廊下を歩くのは私だけで、コツコツと履いてきたブーツのヒールの音が響く。 ゆっくり歩きながら、改めて思った。 ───千秋は蒼空のことが好きなんだ。