「さて…と。 美桜、どうする?」 無事到着し、昼食を食べ終え、今は自由に画題を探してスケッチする時間。 大きく伸びをしてから、璃子が欠伸混じりに訊いた。 「どうする?って訊かれましても。 それは自分で決めなきゃダ………あっ」 言葉を途中で遮った。 思わず違うところに気をそらしてしまい、最後まで言えなかったのだ。 「桜………」 どこからか、風に乗って桜の花びらが舞ってきた。 その花びらを見て、考えを巡らせる。