「どこ行ったんだろ…」 ドアを閉め、また歩き出す。 キョロキョロしながら廊下を歩いていると、ふと中庭に視線がいく。 ───そこに探していた人の姿を見つけた。 「千秋っ」 外へ出て声をかける。 振り返ると、やっぱりそれは千秋だった。 「お姉ちゃん!」 私に駆け寄り、嬉しそうな笑顔を見せる。 ───何しろ、1ヶ月ほどお見舞いには行けていなかった。 入学式やらいろいろ急がしかったのだ。 「お見舞いにきてくれたの?」