「ほら、ここ小高い丘になってるからよく見えるんだけどさ。 ここへくる前、一緒にいた友達に集合時間がどうとか言ってたじゃない」 「………あーっ!!!! そうでしたっ!! 教えてくださって、どうもありがとうございます!!」 時計を見ると、集合時間わずか10分前。 彼はなんでここまで正確に時間を当てられたのか…。 そんなことを気にする間もなく、私は駆け出した。 丘を下りきる直前、 「あっ、名前………」 と呟き、桜の方へ振り返ってみたものの、もうそこには誰もいなかった。