優男。
一言で表すとそんな風貌の男は、和早に全速力で駆け寄って来た。


そして何故か彼女を抱きしめる。




「会いたかったよ、和早!」

「うっ…」



公衆の面前で何をしてるんだよと言いたくても藤堂は唖然とするばかりで言葉が出ない。



「あ……兄上、苦し…」

「…あ、兄上?」



藤堂が頓狂な声をあげる。

兄がいたのかという新事実より何よりも。

性格が違いすぎやしないか。