新見を招き入れ、襖を閉め切る。




「新崎君は、近頃の芹沢さんをどう思います?」



近頃の上司を良く思っていないからこそ出たのであろう言葉。


和早は黙って返す言葉を選ぶ。




「……正直、そちら側の方には好感を持ちません。あなたを除いては、ですが…。そろそろ動きがあってもおかしくはないでしょうね」




彼が求めている“答え”を、和早は知っている。


新見が知りたいのは、和早が芹沢の行動をどう思っているかではない。



こちら側から見て、芹沢を“どうしたいのか”が知りたいのだ。