「………。きっと夢だ、夢」


祝福しかねる祝言も己の失態もこの状況も良くできた夢だと思い込みたいのだが。


「夢にあらず」

「うわっ!」


襖が開き、突然姿を現した斎藤に漠然と否定され、あえなく失敗した。


「せっかく祝いに来たのに、誰かさんのせいで気が気じゃなかった」

「……すみませんね」

「迷惑をかけた自覚はある、と」


斎藤が呆れるような生ぬるい視線を送ってくる。

この男にこんな顔をされるとは、記憶の範囲外でも何かやらかしているのではないか……?

沖田は辛うじて笑みを作りつつも焦りを覚えた。