「はっじめくーん! 負け犬どうし~仲良く呑みましょうよ~あははは!」

「なっ、負け…」

「んでもって、土方暗殺計画でも立て…ま、ぐぅ~」



沖田はあろうことか和早の目の前、否、膝の上に倒れそのまま寝始めた。

酒を取りにでも行っているのか、土方が席を立っているのが幸いであるが、そもそも祝言とはもっと厳格であるべきものではないのかと斎藤は内心思う。

花婿が消えた祝いの席は、もはや宴会である。



「いいのか、これで?」

「あはは。良いんです、たぶん。招いたのは新選組幹部と土方さ…、歳三さんの親せきだけですから」

「……なるほど」


確かに騒ぎの中心にいるのは幹部だが、土方の親せき一同も負けず劣らず騒がしい。

いや、それより。
和早の名前呼びが新鮮で寂しいやら微笑ましいやら……。



「な、んだ、こりゃあ…」

「……!」



絞るような声に振り返った斎藤の目前には、驚愕の表情をする懐かしき土方の姿。

…これは、まずいかもしれん。