流華の楔





「好き…と言うか、まあ、好きです」

「…は!? だ、誰がっ、誰を!?」


土方は素っ頓狂な声をあげ大きく目を見開いた。


…言い方が悪かったか。

少しだけうるさくなった心臓の音を気にしながら、和早はもう一度口を開く。



「昨夜の返事…まだでしたよね。いまのがそれですよ」


平静を装うが為に少々辛辣になる言葉。

これには…言っている自分でも捻くれていると思う。


さらに熱さを増す頬を緩く握った手で隠し、視線を床に落とした。


想像以上に気まずい。