流華の楔






「(本当はとっくに気付いていたんだろうな…)」



土方に対する想い。


それが恋心だったのかどうかは別として。



新選組としての日々の中で土方の優しさに触れ、無意識にその背を追っていた。


気付けば、隣にいた。

身の上を問うことなく己を受け入れてくれたこの男の為に、何かをしたいと。




だから。

背負うものがなくなった今。



長い間「新崎和早」を縛めてたすべての枷が外れた今だからこそ。