流華の楔





「つまり、君は土方君のことが好きなんでしょ?」

「な…」


なんの「つまり」だ。
どこの会話からそんなものが出てくるんだいったい。



「好きなんでしょ!?」

「え、いや…」

「まさか自覚なし!?」


最悪だ、と喚く大鳥。

これもどこかで聞いた台詞のような気がするが……まあいいか。



「土方君が北に行くと決めたから、君もここを選んだんだろう? じゃなかったら他に何を求めて蝦夷に渡ったんだい?」

「何を求めて、ここに…」


そういえば何故だろう。

己の主は容保であり、あの方の傍にいてもおかしくはなかった。

いや、むしろそれが正しい。


なのにどうして、蝦夷に。