「…わかった、刑を取り消そう。敵将とは言えど、済まぬことをしたな」
谷守の上司にあたる土佐の重役が近藤に向かいそう述べた。
話のわかる奴だ、と和早は感心するが。
次の一言によって、淡い期待は深い失望へと成りかわる。
「主には武士としての死を……切腹を申し付ける」
「…な、」
そんな、嘘だろう、こんなはずではなかったのに。
龍馬の件が刑を重くしたのではないのか。
これさえ無実だとわかれば死罪は避けられる思ったのは甘かったのか。
また、失ってしまうのか…。
「ふざけ、」
「納得いかんぜよ!」
和早は「は」と龍馬を振り向いた。
…怒っている。
今まで、見たことが無いほどに。
