四月、新選組は流山へと着陣する。
それが悲劇の始まりであることなど誰も予想していなかった。
言うなれば、一寸先の奈落。
翌日には政府軍に包囲され、近藤が投降する事態になった。
新選組が生き残るにはこうするしかないのだと、近藤は笑顔で言った。
土方がとった策は、助命嘆願。
近藤がどうにか尋問を乗り切り土方の嘆願が通れば結実。
反面、嘆願が却下されれば近藤は助からない。
近藤と土方の信頼なしには成立しない、一か八かの策だった。
土方は江戸で奔走した。
しかし、京で悪名をあげすぎた新選組局長の助命嘆願が認められることはついになかった。
近藤の刑罰は斬首。
武士としての誉れ、切腹さえ許されなかった。
土方、沖田、斎藤、藤堂
斬首が決まり皆が悔いたその夜。
和早の姿が、突如として消えた。
