流華の楔





考えてもまとまらない。

いっそのこと「好きだ」と言ってしまうのも手だろうが、そんな真似はしたくない。

柄にもなく迷い、結局出した答えは。



「……好きですよ。刀ほどではありませんけどね」



呟くように。
わざと愛刀と比較して答えれば。


予想していたのか、沖田は「それで充分だ」と笑った。