何度かの転戦を経て散り散りになった隊士を集め、永倉と原田は会津へ向かおうとした。


この時点で彼らは近藤や土方と別行動をとっており、同じく会津での戦を考えていた近藤らと合流を目論んだという。



しかしどうしてか近藤はそれを受け入れず、「我々の臣下となるのならば考える」と言ったらしい。


二人が新選組を離れると決めたのも無理はない。




「……そういうことか」


成る程な、と和早は思った。

稽古があるからと去っていった隊士の後ろ姿を見送りながら、薄く笑う。



「何がそういうことなんですか」


縁側に座っていた沖田が、不思議そうに尋ねてくる。

その背後に竹とんぼを作った残骸が見えた。


これでは隊士の話を聞いていたかすら微妙だが。