十一月。

土方が幹部を集め、ついに伊東暗殺の策を語った。


「異論のある奴はいるか」


幹部ひとりひとりを見据えながら問う。
反対するものはいなかった。
けれど、和早が予想した通りの反応が一つ。


「待ってくれ土方さん、じゃあ平助は…斎藤はどうなるんだよ!」


永倉は睨むように土方を見、声をあげた。

夜更けとは言えど、ともすれば誰かが聞き耳をたてているかもしれない。
そう思った和早は室外に気を配ったが、見張りをしている山崎以外の気配は何もなかった。



「斎藤は問題ない。端っからこっち側だからな。だが平助は…」

「土方さん質問」

「何だ総司」

「斎藤君は間者、延いては伊東暗殺の為の布石だったって事ですか?」


もはや敵だと思ってその辺で出会っても他人のふりしてたんですけど、と沖田。