流華の楔






「まったく、過保護も度をこせばただの変態ですよ」



沖田は心底迷惑そうに溜息をついた。



「ったく、病人がふらふら出歩くんじゃねぇよ……」




あれだけ全速力で走ってきたというに、土方は息を荒げもせず二の句を継ぐ。

しかしながら彼の額には艶めいた汗が浮かんでおり、それだけ懸命に沖田を捜していたのだと伺えた。