流華の楔





それからしばらく続いた妙な雰囲気。


それを破ったのは、やはりあの人だった。


「総司っ……テメ、んなとこにいやがったか!!」



いつになく冴えわたる怒号。


周囲の人々の視線を気にしつつ二人が同時に振り返ると、そこには長い黒髪をなびかせて走る土方の姿があった。