「…気付いておるか」 「……何をだ?」 ゆるく歪む燕尚の口元を見た和早は眉を潜める。 「そなたに憑き…そなたに巣食う邪気の禍々しさよ…。前に会うた時よりも強うなっておる」 「ふっ……なるほどな」 それくらい百も承知だ。 人を斬った分、斬られた者の念が死ぬまで付きまとうのは世の道理。