藤堂、永倉、原田。 端から見れば兄弟のような三人が渡り廊下に並んで座る。 ここは稽古の様子も見ることができるため、藤堂が好んで座っていた場所だった。 「平助……お前、結局言わなかったのか?」 「は? 何を?」 意味深な原田の一言に、藤堂が「ぎく」と反応した。 何をと聞きつつ、原田が言いたい事はよく判っていた。 「和早に、お前の気持ちをさ」 「………」 .