藤堂の表情から、皆、おそらくこれが仲間として最後の試合になるだろうと予感していた。




「てかなんで俺じゃねーんだよ平むごごっ――!」


「……新八、お前はだまっとけ。男にはな、親友を差し置いてでもやらなきゃなんねーことがあるんだよ」


「………」



和早が刀を取りにいった方角を見ながら、沖田は永倉達のやりとりをぼーっと聞いていた。

藤堂は藤堂で素振りを開始している。


あの土方を唸らせた和早を相手にするのだから、念を入れて当然かもしれない。





「……あ、来ましたね」




軽い足音を立てて駆ける彼女を目で追いながら呟く。

その手には、見たことのない刀が握られていた。




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