稽古で少し息の上がった彼女を、藤堂は真っすぐ見据えた。





そして――






「俺と勝負してくれないか？ こいつで」



腰に携えた刀を指す。
途端、周囲がざわめき出した。





藤堂の腰には、真剣。


この申し出は、藤堂自身が“死ぬ覚悟で”離隊するのだという意志の表れだった。





「………」



「……頼む！」




周囲の視線を浴びながらゆっくり頷いた。





「もちろん」



「……ありがとう」






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