カン、と小気味良い音が鳴り渡るそこに、いつもの面子が揃っていた。


珍しい。

務めに追われる近藤と土方、気まぐれな斎藤は仕方ないとして、怠惰の塊(言い過ぎだろうか)のような沖田が木刀を握っているなんて。





「……あれ? 平助君じゃないですか」



藤堂の姿に気付いた沖田が手を休める。

沖田の声に、回りの者は皆一斉に振り返った。




「おー平助! お前も百人抜きやらねぇか?」


「ははっ。新八さん、そもそも百人なんていねーし」


「あ、僕なら尋常に勝負してあげますけど」


「お前……今まで一回でも尋常な試合あったか?」









皆、変わらない。




他愛もないやりとりが、嬉しかった。





例え気を遣ってくれただけだとしても、それさえ有り難い。







そして藤堂は、和早の前で立ち止まる。




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