流華の楔

「真面目な話……土方さん、あの娘の事どう思ってるんですか」



「……は？」


さらに顰める。
飄々としている斎藤と対照的に、土方の目はまさに点となっていた。




「あの娘……和早ちゃんの事、好きなんですか？」



「い、いや。俺は……」




待ってくれ。
思考が、追いついていない。




動揺しているらしい。




何故だろう。

彼女の名を出されただけなのに、何故自分はこうも動揺しているのだろう。







ただ、｢違う｣と答えればいいだけなのに――。




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