皆が散り散りに去っていくのを見届け、土方は最後まで残っていた和早を見据える。 和早もまた、視線を合わすことなく彼を見た。 「……来い、和早」 「………」 返事はしなかった。 ただ彼の後を追うだけ。 長い月日で、少し長くなった土方の黒髪を。 夜だったが故に着崩された着物を辿り。 無言のまま。 .