「……自分が何を言っているのかわかっているか? 新選組に…戻るだと?」



まるで、針のように。
一言一言が胸に突き刺さるような気がしたけれど。


それを越えてでも。
兄、有真を裏切ってでも。




「戻ります。たとえ彼らに必要とされなくても。私は幕府の…いえ、新選組の人間ですから」



終わりだ、何もかも。
ここでの生活も、思い出も、すべて捨てよう。





「私を、義断してください」


「……っ!」



息を飲む有真。



義断、すなわち勘当。
新崎家との関係を絶つ唯一の方法にして、最大の決断だった。





これしかなかったのだ。




兄の手の内から逃れる方法は――。





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