日が一番高く昇った頃、一行は暫しの休憩をとることとなった――
「斎藤君」
馬の容態を確認していた斎藤の後ろで、伊東が呼ぶ。
斎藤は「何です」と、彼の方を向いた。
「数ヶ月前、突然行方知れずとなってしまった……新崎君の事なんですが…」
「…、何か知ってるんですか?」
「ええ。確証はありませんが、知人から少し気になる情報が入っていましてね…」
どき、と心臓が波打つ。
次の言葉を求めて、伊東に詰め寄った。
「その情報、教えてください…!」
必死に頼めば、伊東は複雑そうに微笑み「やっぱりか」と言った。
斎藤は訳がわからないまま伊東を睨み据える。
「…これでも俺、真剣なんですけどね?」
「あはは、ごめんごめん。しかし斎藤君……新崎君の事となると性格変わりますねー」
「……余計なお世話ですよ」
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