予想通り――。 兄は“それ”と同じ事を言ってのけた。 藩に溜まっている雑事が片付き次第、事を進めるらしい。 それまで、数ヶ月。 多少の猶予はあった。 「何か…何か考えないと…」 有真が去った後、焦り気味に呟く。 勝負、とも言えるだろう。 近代稀に見ぬ策士と謳われる兄、有真との――。 .