「ただいま」 「おかえり…って懍!お前その怪我…」 「喧嘩だよ。隣町の『鬼白』と。」 「懍!いい加減にしろ!來斗が死んで、ショックだったのはわかる。でも、もう喧嘩するのはやめてくれ。」 「…じゃあなんで兄貴は喧嘩するの?」 「それは、守るものがあるからだ。」 「兄貴の守るものって?」 「仲間と、懍。お前だ。」 「あたし…?」 「ああ。」 兄貴はそう言うと、あたしの頭のうえに手をおいて、にっこり笑った。