そんなこんなで俺は今、入学式が行われようとしている体育館にスーツ姿でたたずんでいる。

あぁー。
暑苦しいなぁ。

まだ春だっていうのに、今日の気温はめちゃくちゃ高い。
焼け死にそうだ。

「倉先生!」

後から声を掛けられる。
白髪交じりの生物の教師だ。

「…なんですか?」
「そろそろ始まるので、生徒の方に向かってください」

あぁ、そうだった。
俺、1年3組の担任になるんだっけ……。

まじで面倒くせぇ…。

俺は重い脚を引きずって、体育館を出た。