「行くフリでサボろうかな…」

そう呟くと私はジムとは逆の方向に向かおうとすると、私の知っている、私の大好きな、私が聞きたかった声が聞こえた。

「なんでサボるの?」
「え?」

声のする方を見ると、そこには俊太さんが立っていた。

「久しぶりだね、凛ちゃん」

俊太さんはニコリと笑うと私に近づいてきた。
でも私は後ずさりをした。

「何で逃げるの?」
「いや…逃げてない、です」
「でも俺が近づくと、後ずさりするよね?」
「気のせいです…」

そう言うと、私は走り出した。