俊太さんに声をかけたのは、いつも受付に居るお姉さんだった。

「そんなん言うなよー!」

お姉さんとしゃべっている俊太さんは凄い楽しそうだった。
私は俊太さんがお姉さんのことを好きなんだなと感じた。
いわゆる女の勘ってやつだ。

「もう…いやだ…」

無理なことぐらい、そんなことぐらい、分かっていた。
でも、でも…早すぎた。
気づくのが早すぎた。

「最悪すぎる…」

私は来た道を引き返した。
歩いてたら涙が出そうで、とにかく走った。