だから、

早く死にたいのに

死にたくないと思い願ってる自分が居る。

矛盾してるな、私。

もう一度、空を見た。

青々とした空。

空を見ていると

「ねぇねぇ、聞いた?」

「何を?」

看護婦の(多分おばさん)話声が病室まで聞こえた。

「305号室の高橋さん。後、一ヶ月らしいわよ。」

「あら~、本当に?」

「ええ。先生から聞いたわ。」

「あらまぁ、可哀想に。まだ、17歳でしょう?」

「そうなのよ~。」

おばさんは何処かに行ったのか話し声がパタリと聞こえなくなった。

一ヶ月か。

タイムリミットが近づいてきている。

死ぬ前に彼方に会いたいけど、この体じゃあ無理だろう。

もう、諦めよう。

彼方が幸せならそれで良い。

私は、そう思い目を閉じた。