黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「──奈」


……?


「結奈!!」

「……∑?」

「どんだけ寝んだよ、全く」

「……あたし寝てたの?」

「それも覚えてねぇのかよ」


純は呆れたように言う。


あたし……いつの間に寝てたのか……


「早く降りろ」

「……はい」


ベンツは家の前に止まっていて、あたしはさっさと降りた。


「今日はありがとね」

「ん」


そう言って、あたしは純に背を向けた。