黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「ねぇ南さん」


クラスメイトのちょっとギャルい女子が話し掛けてきた。


「なに?」

「なんか南さんってさ……中島さんとよくいるけど、ふわふわしたイメージがあるからあんまギャルっぽくないと思ってた」

「ふーん。だから?」

「でもさ、さっきの感じを見ると……うちらと同類だよね♪」

「は?同類?あんたらはただのギャル気取りじゃない。
まぁ、あたしはギャル気取りじゃないし、ギャルでもないけど」

「ギャル気取りぃ?うちはギャルだから」

「あっそ。あたしはギャルに興味ないの」


「思ったよりうざ」


そう捨て台詞を吐いてその女は消えた。


どうせろくに友達いないくせに。

だからあたしに声かけてきたんでしょ?