黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「下で待ってる」


純は階段を下りていってしまった。


ゆっくりゆっくり手を開く。


「──ッ!!」


純のばか……


あたしは純からもらったものを握りしめ、階段を掛け降りた。


これがあたしの宝物になったのは
紛れない事実だ。