黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



女がなんかしゃべろうとしてるから、あたしは突き放す。


「ほら、さっさと言えよ。
ぐずぐずしている女は大嫌いなんだよ。おまえみたいな」

「なら……今日どうして私の彼と朝話してたのよっ!!」


しりもちをついて、泣き叫びながら女は言う。


「彼氏って誰だし。
朝会ったギャルいヤツのこと言ってんの?あんた。
あいつあたしのこと、フルネームで呼びあがって去った。
あんたさ、あんなヤツ選ぶなんて相当趣味悪いね」

「……………」

「早とちりはよくないよ?あたし、あんたの彼氏には全く興味ないから。
じゃあね〜♪ぐずぐずしてる、あたしの大嫌いなブス女」


あたしは最後にひとこと、そう言ってやって教室に入った。


は〜すっきり。

ほんとあーゆー女無理だわ。