黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「──した…」

「……?」

「……すげー心配した──…」


震えている純の声……


あたしも無意識のうちに、純をぎゅっと抱き締めていた──…





しばらく経つと純はあたしの頭をぽんぽん、と撫でてバイクの方に向かった。


あたしもその後を追う。


きっと送ってくれるんだと思う。


─さっきのキモチは……

         なに……?