黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「……玲奈のバカ」

「えー?玲奈、バカじゃないんですけどー」

「バカだよ」

「結奈に言われたくないね」

「でもこうなったのは、玲奈があたしを連れてくってゆー提案をしたからでしょー」

「まぁ……ね」


―それは数時間前のこと―


「着いたわよ♪」


玲奈のバイクに連れられて来たのは人通りの少ない駐車場。


そこにはすでに、5人の女と1人の男がいた。


「おっせーよ、京香ちゃん♪」


男は笑いながら、余裕の笑みで言う。


「ごめんなさいね、龍神に遊びに行ってたもんで」


えへっと笑う京香に、女達の顔が引きつった。


龍神と繋がってること、知らなかったのかな?この人たち。