黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「「それは…」」


裕也と健が純を見る。


「俺の姉貴」

「……純のお姉さん?」

「あぁ」

「なんで純のお姉さんが?」

「俺の姉貴、男運0だからいっつも浮気相手で……そん時は桜山の副総長、隼人(はやと)の浮気相手。
で、その隼人が『南結奈が次のターゲットだな』って電話してるのを俺の姉貴が聴いたらしいんだよ」

「それで?」

「俺の姉貴は結奈の前の高校に通ってたから結奈を知ってた。そして可愛がってた。だから俺に頼んできたんだ」

「あたしを可愛がってた人?」

「そう。本名陸田 杏(りくた あん)レディースのかぐや姫では京香って呼ばれてる」


あー、前に言ってた京香って純のお姉さんだったんだぁ……

ん?杏……?


「えっ?杏?あの吹奏楽部の杏先パイ!?」

「あぁ。あの吹奏楽部の杏先パイ」

「うっそ〜っ!?杏先パイレディースなの!?」


がっかり……