「大丈夫か……?」 純が心配そうに聞いてくるが、あたしはあまりの痛さにどうすることもできなかった。 荒い呼吸で息をするあたしに、純は背中をさすってくれてる。 「……ごめん、大丈……夫ッ……」 みんなはあたしを心配そうに見つめてくるけど、あたしは目を合わないで 「あたし……昔のこと、知らないの」 と言った。 これは事実。 あたしは小さい頃の記憶が一切なく、写真やビデオさえなんにもなかった。